どうやら第二の思春期が来たらしい。

見た目はリア充完全武装。心は荒んだクリスタル。アラサー独女の日々。

同棲とニオイと幸せと

約8年付き合っている彼と1ヶ月半前から同棲をしている。

いつか一緒に住もうという甘酸っぱい話に2人揃って胸を躍らせていたのはもう何年前の話になるのだろう。

流れに流れ、今やっとである。周りからは、え??今同棲??結婚じゃなくて??というキョトンとした微妙なリアクションを頂き、言われた私も、だよね。そう思うよね。という微妙な返ししかできない。この妙齢に差し掛かる段階で結婚ではなく同棲を挟むというのは周りからしたら変なのであろう。そのキョトンは正しい。

 

あらかじめ言っておくが、私に結婚願望というものはハナから無い。ので、同棲生活になにも求めているものは無いし、期待もしていない。なんせ家賃生活費光熱費なぞ全てキッカリ折半だ。それを言うと周りの友達にいよいよびっくりされそうなので、あえて言っていない。というか言えない。

なぜ折半にしたかというと、「借り」みたいなのを作るのが嫌だったのだ。お金多く入れてくれてるから家事やんなきゃ!みたいな無駄な感情に追われるのが我慢ならないのである。

かねてから言っているように、自分の生活は自分が主導権を握りたい。それが同棲や結婚になっても関係ない。

冷たいと思われるのもしょうがないが、そんな思いを面に出したりしてない分許してね。

 

ともあれ同棲生活は大きな喧嘩をすることなく、(表面上は)楽しく平和なのだが、ひとついやふたつぐらい水に流せない問題がある。

 

ニオイだ。ニオイとは、相方の体臭のことだ。同い年なのでまだ加齢臭がする年齢ではないはずなのだが、なんか臭いのだ。しかも毎日毎時間。

テレビで、パパの枕くさ〜い!というコマーシャルを見た事はあったが、まさか自分に降りかかる問題でもなかろうと対岸の火事だった。本人も出かける際には必ずお気に入りのジョーマローンの香水をドヤ顔でシュッシュッシュぐらいやっていたので、私も衛生的なその姿勢に安心しきっていた。油断していた私が悪いのか。

 

枕カバーとシーツにはじまり、果てはただ顔を拭いただけのフェイスタオルに至るまでとにかく気になるニオイなのだ。洗濯してもなぜかニオイは取れない。それどころか、私の服も一緒に洗おうものなら染まる始末。文字通り、水に流せない問題である。

 

自分への移り香がこわくなって、愛用のココヌワールをいつもより多めにふりかけ出勤したら、「なんか今日香水強くないですか」と意見されてしまった。

 

困った。

もはや頂き物の柔軟剤(結構良いやつ)を持ってでも、体臭×生乾きの地獄臭を避けるために浴室乾燥機を持ってでも、太刀打ちできない。ジャンクフードや肉類を多くは食べていないはずなのになんでなのか。

しかし人の体臭や口臭というのは中々のパーソナルかつデリケートな問題の為、面と向かって臭いと伝えたのはただの一度だけだ(たぶん)。人間社会で出来るだけ穏便に生きていくには、質の異なる物事に対して歩み寄ったり納得できない箇所は擦り合わせたりするのが普通だと思うが、ニオイ問題もこれに当てはまるのだろうか。わたしがどこかに妥協点を見いだせば良いのか。いや、ニオイに対して妥協出来るほどわたしは寛大でいられるだろうか。

これは一体どうしたらいいのか諸先輩方の教えを乞いたい。男の汗と女の汗は、性質が違うからにおうのは致し方無いのだろうが、そこを考慮した上で納得できるポイントを見つけたい。

同棲が始まって1ヶ月半でこれである。

ニオイ問題にはほとほと参ってしまった。

 

 

いいニオイと小さな幸せは限りなくイコールに近いと思うのだが、帰宅すると必ず好物の甘い物が用意されているのもイコール幸せだ。

 二物を求めるのは贅沢なのか、とぼんやり考えながら、部屋干しされた洗濯物を横目に今日も用意されたエクレアを食べている。