男の自慢話と女の裏切り
男の自慢話が嫌いだ。
いや、自慢話をする男が嫌いなのかもしれない。
女の自慢話もいい物ではないが、男のするそれは、なんというかもうほんと胸くそ悪い。だって浅はかだから。
先日参加した同窓会。同窓会というか、友達が友達を呼んだこともあり、初対面同士が多数の飲み会。
三次会まで出たのだが、男性出席者が多かったこともあり「オレ」を語る男がたくさんいて実に疲れた。
ある女性が月9の話題を振ろうものなら、オレ忙しくて9時までに帰れないから月9ってみたことないんだよね、最近は〜を任されてて後輩の指導も〜で結局オレが尻ぬぐいしたんだけどサあれはひどかったヨ、だの、
昨日まで1カ月間泊まりの研修で今日も寝ないで結婚式に出席したんだヨ、睡眠時間は3日で平均4時間くらいでサ、だの、
オレ営業だからサ、注がれた酒は必ず空にして次の酒を頂かないと、それって社会人として当たり前だよね、アレ?空にしてないの?ダメダメ〜〜そゆとこ〜〜、だの。
思い出せないだけで実際はもっとこういった美味くないつまみが各テーブル散り散りに散りばめられていた。
男同士で言い合うぐらいならまだマシ。
対女性になると、会話の中の「オレ」は通常の二割り増しでデキるオレと化す。
月9の話題を振ったのに、返された言葉が自分の仕事の自慢だった事に女性は違和感を感じずにはいられない。
しかしその奥ゆかしい女性は、忙しいんだね。大変だね。と、綺麗な眉を下げその場限定の大和撫子ヅラを被る。
たとえヅラでも、そのような顔を作れる寛大な心に拍手を送りたい。 大和撫子どころか私には聖母の影すらみえる。
しかし男性諸君、知っているだろうか。
そのしょうもない自慢は、自分の価値を下げに下げまくっていることを。
知っているだろうか。
あなたがオレを語っていた最中、その女性は近場にいた女友達に「ウザい助けて」のアイコンタクトを送っていたことを。
知っているだろうか。
あとから女性陣だけで、「あのつまらない男の話によく耐えたね」と乾杯がなされた事を。
知っているだろうか。
女性は、男性のしょうもない自慢話が二割り増しだということにとっくに気付いているという事を。
例え自慢話に聞こえないような遠回しな言い方にしても、女性は必ず頭の中でキチンと二割り減で話を聞いているし、ああこの人の器は所詮豆皿程度ねとこっそりレッテルを貼っている。
まれに、喜んで乗っていくバカな女もいるがそれは根っからのバカなので、換算していない。
自分のことを語れば女はオレに惚れるとでも思っているのだろうか。
女を甘く見ない方がいい。
軽く口走ったあなたの話は、女同士の飲み会で二割り増しのウザさで語られている。